- 作者: 辻村深月
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/12/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 3人 クリック: 68回
- この商品を含むブログ (92件) を見る
- 作者: 辻村深月
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/12/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 3人 クリック: 21回
- この商品を含むブログ (89件) を見る
これからこの作品を読もうという方は、ぜひにもこの作者の「ぼくのメジャースプーン」を読んでからにしてくださいませ。
とても面白かったんだけど、なぜか「長いな」と思いながら読んでいた、というのが正直なところです。「誰が自殺するのかを探す」「学園モノ」という設定でどうしても「冷たい校舎の時は止まる」を思い出してしまいました。だからこそ「このまま素直に河野くんなハズがあるまい」と考え、あまりにも詳細な描写がされている人物を「探されてる名前」として予測してしまったのが残念な読み方をしてしまった原因じゃないかと。
秀人と椿についてはすっかりだまされました。だまされましたが、種明かし的なエピソードが他の作品頼りなのはいかがなものかと思いました。「続編」として明記されていないのに。物語の核心というか、そもそもどうしてタイムスリップしちゃったの?てところ、重要なんじゃないのかなぁ。この種明かし的なところで全く説明がなくて(あっても興ざめかも、と思うので難しいところですが)、「ぼくのメジャースプーン」読んでない人にはなんのこっちゃ、てな終わり方なんじゃないかと思う。そういうところを「他作品も読んでいることを前提」として書いてしまうというところに、ちょっぴり(作者の)傲慢さを感じました。
個々人の成長を描く各エピソードは素敵なものばかりでした。「初めて25m泳ぎぎったときの気持ち」とか。「オオカミ少年」の解釈が「100回なかったことでも101回目には起こりうる*1」とか。
あと、「郊外」とか「地方都市」が絡む作品ってここのところ急激に増えているように見えますね。……印象だけかな?実際のところどうなんでしょう。
ラスト近くの疾走感はやっぱり素晴らしかった。冗長さを感じるほどの細かい描写あってこその疾走感だろうと思いました。
あと、「流星」のドラマと同じくなんだってこうもハヤシライスがおいしそうなんでしょうかね。
*1:うろ覚えです