sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

オムニ出す / ハイバイ @ リトルモア

「常(いつもの)」
出演:端田新菜(青年団) 平原テツ 岩井秀人 坂口辰平 川田希

「仏(フランス)」
出演:師岡広明 永井若葉 坂口辰平 篠田千明(快快)

ハイバイの4作品オムニバス公演。本日はそのうちの2つを観ました。

  • 常(いつもの) = ヒッキー・カンクーントルネード

ウワサの作品が観れて幸せです。この作品、ハイバイの情報みるとよく出てくる公演名だったので。

そして文句なしに面白かったです。これまで散々観てきたタイトルだったのに、ヒッキー=引きこもりってことに始まってから気づきました。お兄ちゃんも適応能力ありすぎの彼も、それを派遣してるあのお姉さんも、お母さんと話してるときのあの話の聞けなさっぷりがはたから観てるとやたらと面白くって、自分が話し相手だったらと思うといらっとさせられたり。「お母さんとお兄ちゃんと変わらないよ!」という妹の理屈のとことか、笑わせてくれるんだけどかなりの力強さでの説得力があって。いやー好きだなぁ。ああ、すごく面白かったのにいろいろ書こうとすると思い出せない。DVD買おうかしら。
妹がキュートすぎるよな!学生時代にああいうコでいたかったなー。
それからお母さん役の方のスネ毛にロックオンしてしまった。ダメだ。

  • 仏(フランス) = コンビニュ(または謝罪について)

うーん……。
ちょっとこれは、篠田さんの影響が出すぎなんじゃないかと。や、単に篠田さんが苦手だからなのかもしれないけれど、彼女の多用する手法っぽい演出が散見されて、さらに彼女の演技だけ浮いてみえました。正直「ああ、もう、わかりましたよ……」と辟易としてしまうシーンが多かったです。
ただ、あのコンビニ店員のカンジとか、ディスコミュニケーションっぷりとかは非常に楽しく。ああいうカチンとくることされたときに、こんなカンジで妄想すること多いですもの、オホホ。「いかに自分が悪くならずに最大の嫌がらせをするか」とかすんごく考えたりするもの、オホホ。それを実際にやろうとしてる(嫌がらせじゃないけど)あたりと、それをやることによって「あれ?もしかして良くないのって自分?」みたいに疑問を持ち始めちゃうところが面白かったしとってもすっきりした。


そしてこれは作品とは関係ないけれど、上記の篠田さんぽいやり方というのは、チェルフィッチュっぽい「しゃべり方とダンスっぽい動き」のことをさします。チェルフィッチュの作品について、その手法ばかりが語られて、ストーリーなどのその作品が描こうとしていたことについての言及があまりされていないのを嘆く一方で、こういうのを観て“チェルフィッチュっぽい”と思ってしまう自分がいることに落胆したりもします。しかし考えてみれば、小指値(現・快快)の作品「霊感少女ヒドミ」が参加していたアゴラの冬のサミットのキュレーターが岡田さん自身であったんですよね。この作品、こないだの吾妻橋でDVD入手したばかりでまだ観ていないんですが、とてもチェルフィッチュぽいとの評判をよく目にしました。なんだかそれが少し複雑な気持ち。あ、さらに「ヒドミ」ってハイバイの岩井さん作、だったんですよね。このDVD観てからだと、今日のこの作品の印象も変わってくるのかも。早いとこ観よう。


後日、残りの2作品も観にいくんですが、「SF」って前川知大さんの「輪廻TM」なんですね。今日チラシ観て初めて気づきました。この作品、イキウメバージョン観たじゃんか。イキウメはちょっぴり演出と役者さんの演技が苦手な印象があるので、あの作品がハイバイになってどう変わるのか観るのが楽しみです。