sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

葡萄 / THE SHAMPOO HAT @ ザ・スズナリ

作・演出:赤堀雅秋
出演:那須佐代子(青年座) 池谷のぶえ いせゆみこ 野中隆光 日比大介 多門勝 黒田大輔 吉牟田眞菜 梨木智香 長尾長幸(劇26.25団) 赤堀雅秋

シャンプーハット。「演技者。」であるとか「週刊真木よう子」での赤堀作品、PPPPやら本谷さんやら五反田団やらハイバイやらでの役者さんとしてのシャンプーハットは観ていたので、すっかり知った気になっていましたが、本公演観るのは初めてでした。どことなくドヨリと暗いものを下敷きに描く方、という印象のみをもって観劇。

んー……。

残念ながらこの作品に関しては何をおもしろがれば(興味、という意味で)いいのかが分かりませんでした。ストーリーやセリフは分かりにくいことないんですけど、いったいこれを作って何がやりたかったのかが分からなくて。淡々としたトーンですすんでいくんです。作品としてそういうタイプのものは好きなほうなんですけれど、私はこの作品に「淡々」以外のものを見出すことができず。ようやく起こった起伏のあるシーンもちょっとしたことでおさまってしまったりして。「15年」という長い年月が背景として言葉で語られるんですが、その15年の重みを誰からもどのシーンからも感じられなかった。だから登場人物が感情をあらわにしても「演技してるなー」「そういうシーンなんだなー」と一歩引いた冷ややかな視線で観てしまいました。

ちょっとだけ拝見させていただいた他の方の感想には好意的なものが多いので、私が自分の好みに偏った見方をしてしまったのかもしれません。けど、うーん。ざんねんでした。