sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

鉄割のアルバトロスが / 鉄割アルバトロスケット @ ザ・スズナリ

ko-moto2008-07-06

■戯作:戌井昭人 
■演出:牛嶋みさを
■出演:内倉憲二、奥村勲、中島朋人、中島教知、田山雅楽子(kiiiiiii)、大根田雄一、木村秀治郎、小林滋央、南辻史人、伊藤麻実子、古澤裕介(ゴキブリコンビナート)、村上陽一(the Back Drops)、馬場寿子、バルタンセイジ、篠原友希子 康本雅子

初鉄割。康本さん目当てで行きました。
思ったことは後日。

(7/7追記)


鉄割は「渋さまわり」という印象が強くて、だからこそ避けてきてしまった集団。渋さオールメンバーのときにダンスとかパフォーマンスをやっている方々が鉄割だと聞いた覚えがあったので。
渋さは一時期わかりたいと思った時期があって。昔やっていたバンド、ドラムを募集していたので「はいはいはーい!」と入っていったら、美大出身グループで、その自意識の高さとアピールの躊躇なさにどうにもなじめなかったんです。ライブの曲と曲の間に寸劇入れたり、フライヤーの絵を描き始めたりするんですけど、私にはあまりそれらが良いとは思えず、そういう作品を躊躇なく繰り出すメンタリティに一番共感できなくて。一言で言えば「いやー、君たち自信あるんだねぇ!」ということかしら。……ひどい言い草になりましたが。その中の数名が渋さの大ファンで。
そして一度フルメンバーのライブに出かけまして。連れて行ったのは、60'sモータウンとJジュニアを同時にこよなく愛する辛口の友。ライブが進行すると同時に彼女の顔はみるみる曇り、「つまらん」「即興にもなってない」「即興するなら各々もっと練習しろ」「キヨシローで救われた*1」との文句を聞きながら帰ったり。でも正直私も面白いと思わなかったし。美大バンドメンバーに対するのと似た感想を抱きました。当時、「音楽はいいけど詞およびMCが苦手なもよう。ダンスのパフォーマンスもかな」と書いております。「ダンスパフォーマンスが苦手」と思ったライブのダンスパフォーマンスを担当している集団ですからねぇ、避けてしまっていたわけです。

とか言っちゃってるけど「康本さん出演」「スズナリで」という魅力にころっと負けて観に行ってきたわけです。

結果、思っていたより楽しめました。楽しめて嬉しい。
配布されたチラシには40以上の演目があって、「これは私の苦手とする寸劇たんまりタイプの公演……!」と青ざめましたが、面白い演目は面白く観ました。鉄割自体はアングラで狂っててシュール、てのがよく言われている評価なのでしょうか。やたら「麻薬」「マフィア」「大麻」とか障害者を連想させるような動きをしてみたりとか、という部分は腹立たしいくらい好きではなかったです。大喜利や歌合戦とかやたら怒鳴ってるような演目は「もういいってば」とか思ってました。そういうわかりやすいクレイジー、クレイジーをあえてやるそんなアナーキーなオレたち!みたいのは好きじゃない。私の好きなクレイジーは山縣家みたいのだからさ……、とか思い。でも人間風車とか金太郎とかは面白かった。あの女性(名前わからん)がすきなのかも。あと「脳みそがジャマだ!」と叫ばれると「半分でじゅうぶん」と返したくなるということがわかりました。


そしてやっぱり康本さんに釘付けでした。幕が開いた瞬間に上からつるされた照明を押しやり続ける様子や、戻ってきた照明をよけてのけぞる首もとの美しさにぞくぞく。その後もちょくちょくダンスしてくれました。康本さんのダンスが入る演目はどれもすごく短くて、「短かすぎるよ!」て思うんだけど、その短さによる物足りなさが逆によかったかも。おもむろにかぶっていたバケツを脱いでやるダンス、説明が分かんないよと言われての逆切れダンス、そして出色だったそば振り回しダンスと、ラスト近くのダンスONちゃぶ台。どれもこれもひっどいことやってるんだけど、その体のたおやかさとしなやかさで「ほうっ」とため息ついてしまうような一瞬があって。やーもーメロメロ。だいふぁんです!たまに加護ちゃんに見えた。


TR出演時のパフォーマンス「ブッタもんだすって」。かっこよすぎてすてきすぎて何度でも貼ってやる。

あ、あと古澤さんが出るってチェックしてなかったのでうれしかったです。おとなしめの役が多い中、ぐわっと目と歯、だけじゃなくてもう顔全体ひん剥いてつばき飛ばしながらの怒り芝居が出たときには「あーこれこれ。これじゃなくっちゃ」とか喜びました。観にいかなかった吾妻橋で行われてたというウワサのネギファイトのときも古澤さんばっか観てた。ネギくさすぎていかがなものか、という意見も至極当然。ステージ上のおびただしい数の長ネギ、長ネギ、長ネギ。客席真ん中くらいの位置にいたんですが飛んできましたよ、ネギ。終演後、客席のいたるところからステージ上にネギが投げ返されてて笑いました。

*1:飛び入りゲストだったのです