sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

矢野顕子さとがえるコンサート @ 矢野顕子 @ NHKホール

顔が冷えっとするわぁ、って思いながら毎年たどりつくNHKホール。今年も年の瀬であることをしみじみ感じにいってまいりました。

今年は前座としてyanokamiを従えた(?)さとがえる。前半yanokami。席についたとき、「!?スタインウェイがありませんよ!?」って驚いたのですが、やっぱりというかなんつか、一度オペラカーテン(緞帳ではなくて“オペラカーテン”というそうです)がしまってちゃんと出てきました。
yanokamiは幸せすぎて、そしてお腹にはたっぷり食べたナポリタンが入っていて、ゆらゆら船を漕ぎました。アッコちゃんのコンサートはよく心地よくって眠ってしまうのです。あ、でもここ数年はなかったかな。アンソニー&クリフとのトリオ構成の時は必ず一度は寝ていたかも(てへ)。贅沢かつ幸せな眠りなので自分としては全く持ってOKなんですが、お隣の人とかはイヤかもねぇ、反省反省。yanokamiはやっぱり飲み物ちびちび飲みながらふらーんふらーんと聴きたい。yanokami版「ばらの花」は感心しちゃう人と笑っちゃう人と怒っちゃう人と、いるみたいですが、私はうっとりしちゃう人です。ボーカルの入りが難しくて、いつもハラカミさんが心配そうな顔やら声やら出していたのですが、ついにカウント音が入るようになったみたいでした。アッコちゃんもきれいな音で指をならして拍を刻んでいて。面白み、という意味では前のほうが好きだったかもな、ですが、安心してたゆたえるので入れてもらったほうがいいのかも。
相変わらず二人の会話のかみ合わなさに笑いました。ハラカミさんが、アッコちゃんが「んまあ!」ってなってしまいそうな発言をわざとして「へへへーだ!」みたいな、べーて舌出しながら後ろ向きに猛ダッシュみたいなことをしているのがかわいらしすぎます。

休憩時間に喫煙所に赴いて、鞄からタバコを取り出し、火をつけよう、と顔を一瞬上にあげてから手元のライターをみつめまして。……あれ?今なんかベース弾きそうな人いなかった?てか佐藤くんじゃあ?ともいっかい顔を上げてみたら、はたしてそれは佐藤くんでした。そして横に視線をやったら目の前に立ってたのは岸田(呼びすて)。短髪、帽子、メガネレス。「わ」って言ってしまいました。「わ」とだけ言ってその場を立ち去る挙動不審。すみません。エルレの方もいらっしゃいましたが、客席から、しかもあの矢野顕子さんが自分たちの曲をやっている、ってのはどうやって観るんでしょう。幸せなのかくねくねしちゃうのか笑ってしまうのか感動で動けないのか……や、全部?想像つかないです。

後半は弾き語り。今年は迫力のいもむしごろごろ+RoseGardenに圧倒されました。下手サイドの前から2列目(実質10列目くらいかな)からピアノを弾くアッコちゃんを眺めるのは初めてだってことに気づきました。いつもどっちかというと上手よりでピアノ越しに眺めてたんです。だものですから、遠目だけど後ろから手元を確認することができるわけで。この2曲はかなりリズミカルで、左手で拍となるべくリズムを刻みつつ、でもちょこちょこバス音から上にあがってきてて(ホント、1小節に最低1回は行き来してたんじゃなかろか)、さらに右手では独特なもたりも含めたリズムで刻むメロディ。すっげぇなー。すんごく忙しいだろうのに、出てくる音は流麗で、そしてさすがに迫力で。この2曲はこの位置から観ることができて幸せでした。

さー、CDでSuperFolkSongでも聴こう*1

*1:行った方だけわかるイヤミな書き方ですね。結婚記念日だからこの曲をやってください!と客席の女性からされた絶叫リクエストを、アッコちゃんは「CDでお聴きください」と一刀両断されたのです。アッコちゃんのこういうところ、一貫してていいなー。