sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

ゆらめき / ペンギンプルペイルパイルズ @ 吉祥寺シアター

ko-moto2007-10-28

作・演出 : 倉持裕
音楽 : SAKEROCK
出演 : 小林高鹿 ぼくもとさきこ 玉置孝匡 内田慈 近藤智行 吉川純広 坂井真紀 戸田昌宏

めずらしいPPPPをみせてもらいました。PPPPなのに分かんなくない!でも終わった後のこのもやもやはまさにPPPP。そして緻密な印象もPPPP。楽しませてもらいました。本日東京楽日。倉持さんが出てこられて挨拶されてました。
こちらも詳しくは後日書きます。
それにしても公演案内の作・演の次に名前が来るたぁ、サケも売れっ子になったもんだ。というかPPPPもみせ方をよくわかっていらっしゃる。

(10/29追記)
まず会場に入って舞台装置を目にして思ったのが「だいぶ現実感ある感じに作りこまれてる」ということ。これまでのPPPPの舞台装置はなんだかんだ抽象的だったから。で、その印象はお芝居が始まってからも継続されたんですなー。そこに立っている人の立ち居地が明確で、お話しの進め方もかなり具体的。なんたって鎌倉やら地名やらの具体的な名称(鳩サブレ、ろみさんのジャム、ヨックモック、湘南新宿ライン)が出てくるし。その「見慣れない」感覚も手伝ってか、特に序盤はやたらお芝居臭くて驚いてしまいました。PPPPってこんなにお芝居お芝居してたっけ?という印象。さらにそれを感じたのが玉置さんとぼくちゃんというPPPPの方々だったからなおさらです。ぼくちゃんなんて「こんな感じだから○○だっていうのよ。……あらやだわたしったら(コツン)」的ななんつか「それ、普通の人はその言い回ししないでしょ」ってお芝居してるし、たまきんぐも声を張るお芝居くさいお芝居で。キャラ設定としてわざとやってるよな気もしますが、最初のほうは「えぇ〜、こんなだったっけ?」と思わないでもなかったです。……うーん、でも今考えてみると前からこんなカンジだったかもなぁ。舞台設定がどこか非現実的な作品が多かったからこれまで感じないできただけかも。

後半の、特に「ちゃんと振った」話あたりからはぐいぐい引き込まれました。あ、このストーリーは人妻である酒井真紀さんが若造に告白された*1ことに端を発するぐちゃぐちゃした事件を描いているのです。このあたりから、各キャラがどうしてこういう行動をしていて、こういう性格をしていてということがくっきり見えるようになってきて、やー、面白かったなぁ!

なんか登場人物みんながみんなちょっとずつヤな奴だからこそ面白かったんだろうと思います。あ、高鹿氏はもうほんっとにヤ〜な奴でしたけど。彼はほんとにこういう「結果的にかなりの無神経*2」という役が本当にお上手だと思います。
内田さんの言っていた台詞がやたらすごかったな。
(内田さん):「私は私の嫌いな人の悪口は言わないわ、だって私を嫌いな人は私のことが嫌いなわけだからそんなことしてもまったく刺さらないもの、それこそ相手の思う壺だもの、でも私だって好きな人の悪口は言うのよ、だって私のことを好きな人は私に好いて欲しいわけだからちょっとしたことでものすごく刺さるでしょう」
(相手役):「あんたねじまがってるよ」
(内田さん):「そんなこと言っても全然刺さらないわ、だってあなたは私のこと好きじゃないでしょう」
みたいなカンジだったかなー。この部分だけでももう一回読みたい。戯曲買ってくればよかった。
内田さんはもしかしたら今年一番回数観ている女優さんかもしれなくて、好きな女優さんなんですが、この役はもうちょっとムンとした色気のある方にやって欲しかったような気がします。

しょっぱなから「私はただ鎌倉に行きたかっただけかもしれません」で始まったこのお芝居のラストはまたしても鎌倉がらみ。「投げないわね」っていってたものも投げちゃう展開。最前列で見てたのでちょっぴりびびりました。足元にGABANが転がってきました*3。数回、お水もかかりそうで怖かったにゃあ。
ちなみに「これ、鎌倉で買ったジャムの瓶」と、ろみさんのジャムの瓶として金色の蓋の瓶をみせていましたが、それ、違うよ、ろみさんのジャムはWECKに入ってるからねっ、て重箱のすみっぽくてイヤミたらしいけどちょっぴり気になりました。ええ、フラガールで東京みやげが「ひよこ」だったくらいには。

観終わってから、当日配布されたパンフ(紙ぺら一枚)に書かれていた倉持さんの挨拶を思い出しました。「これまではあまり考えなかった各キャラクターのこれまでの人生などを細かく考えるようにしてみた」というような主旨の内容。

*1:というか「恋人はいるんですか?」って聞かれた

*2:意図してるにしろしてないにしろ

*3:私の中の黒木メイサが歌いだしました