sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展 〜アリス、あるいは快楽原則〜 @ ラフォーレミュージアム

11:00開店と同時にラフォーレに入ったけど、エレベータ1個見送ってる間にそれなりの行列。人気なんだ。昨日のイベントと同様に若い自意識びんびんタイプの女の子が多い。男の子も「男の子」って言っちゃってるくらいだから若くて、こじゃれてるカンジ。ラグシーであえてはずしたラフっぽい服かってセルフレームめがねではいできあがり、タイプ。かっちょいいコが多かったのでした*1

習作みたいな黒い線で書き込まれた作品の数々を眺めながら、一瞬「漫画みたいだな」と思い、その「漫画」と「美術作品」の違いってなんだ、そもそもあるのか、と思ったりしました。まともに美術を学んだことのない私からすると、「美術」というと教科書になっていそうな絵画のイメージなのです。モネ、ルノアールセザンヌとか。あとルネッサンス的なヤツ(ひどいなー。ドラクロアとか)。それらを「美術」とするなら、今目にしてるこの作品はなんなんだろう。やっぱ芸術でありアートなんだよな。それって美術とどう違うの、それって漫画とどう違の、分かるのアンタ、って自分に問いかける時間となりました。だってエヴァの油彩が出てきたとたんに「ああシュールレアリズム」って思ったりするんだもん。なにこの単純さ。油彩でぺとっと平面的な人物出てくれば全部アートでシュールなのかよ、コノってね。
それから、いわゆる印象派の絵画を好む母に、ダリとかルソーとか好きだってあんまり言えなかった小中学生の自分を思い出したりもしました。

触感の部屋*2が楽しかったな。「ここで見ることができるのはあなた自身の感触の記憶です」みたいに書いてあって、指のかたちが見事に残っている粘土たちが展示してあるの。ザ☆手捻り、てカンジ。
それから壁から黒いナイロンの布筒が垂れ下がっていて、「ご自由に中に触れてください」ってなっているのが2箇所。その横に解説が書いてあって「ここにこう配置されているものを触るとこう感じるでしょう」って書いてあるの。残念ながらそのとおりに感じるほど感受性が鋭敏ではなかったのですが、よくテレビで中身の見えない箱に手を入れる前の「ぎゃー」ってやってるあのカンジ。あれのライト版を体験させてもらったような気がしました。2つ目のは「お、靴」とか分かったりして。
それからヤンの一連のコラージュ作品、好きだったわぁ。あのいたるところに出現するミトコンドリア的模様が好きらしく。「かわいい」と一言でくくれないアリスやら人間椅子がね。

あとは観てきたばっかりの映画で使われてた本物たちが!
うわー!オティーク!うさぎ!かえる!(単純)

全体的にはエヴァの作品が多かったのかな。勝手に油彩やクロッキータイプのものはエヴァだと思っていたのですが。
そう、展示としてはどちらの作品なのかということと、チェコ語が含まれている作品に対する翻訳を掲示しておいてほしかったです。

物販ではオテサーネクの絵本と、アリスの絵本欲しくなりました。正直エヴァ作品のほうにはあまり吸引力を感じなかったのですが、「オテサーネク」の映像の中で使用されていたエヴァ作絵本の「オテサーネク」のビジュアルは、「オテサーネク」という映像作品の中でちょっとした引っ掛かりになるような、うれしい捻り方をみせてくれた要因のひとつであったように感じていたのです。だからねー、欲しかったな。
あとアリスは、絵本というより「挿絵」です。文字の部分がとても多いのでつい躊躇して買わなかったんですけど、読んでる間にこんな絵出てきたら楽しすぎるもの。買いたい。そして友達のお子様にあげたい。…怒られるかもしれないけどさー。
それから買っても観るかしら、と思って購入を見送ったDVDたちでしたが「アリス」と「オテサーネク」両方欲しくなってきちゃった。「オテサーネク」はなぜかAmazonで高騰してますが、会場で4000円弱の通常価格で売ってましたよ。

不思議の国のアリス

不思議の国のアリス

鏡の国のアリス

鏡の国のアリス

オテサーネク

オテサーネク

結局買って帰ったのは絵本「不思議の国のアリス」の表紙になっている絵のポストカード3枚のみ。優柔不断すぎた。

*1:また「コ」とか言っちゃった……

*2:タイトルうろ覚えです