sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

バター / はえぎわ @ ザ・スズナリ

作・演出:ノゾエ征爾
出演:町田水城 カオティックコスモス 井内ミワク 鈴真紀史 滝寛式 竹口龍茶 踊子あり 小百合油利 島鳥明 ノゾエ征爾 長田奈麻(ナイロン100℃

ko-moto2007-08-12
はえぎわ初見です。

井戸がおもしろかった。
井戸におちてしばらくすごす人間、というシチュエーションをみるとどうしても「ねじまき鳥」を思い出してしまい、あの世界と比較してしまう癖があるのですが*1、今回の井戸シチュエーションはこれはこれで秀逸なひとつの形だわって思いました。特に最初の方のナレーションの妙。単純に図としても奇妙な中に、言葉もそれをしゃべる人も奇妙なことになってしまっていたのがおもしろかったです。あそこで感じた妙にそらされているような感覚は、その後に展開される「水子たちのもしかしたらあったかもしれない世界」あるいは「子供を産まなかった女性による妄想世界」という、ファンタジーと現実と、どちらにでもとれそうなストーリーにやわらかくつながっているように感じました。うん、よかったなー。
井戸に落ちた人間が、服装だけを同じにすることによって同じ人として扱われているのも好きでした。
歌い踊ったシーンは申し訳ないけど一気に興ざめになってしまった感が。「えー歌に逃げないでー」って思ってしまったの。「逃げ」をカンジさせないで欲しいの、歌を使うときは。
それから最後近くのあのびっくりセット*2。今日は自由席、すなわち最前列で見ていたので「わ、わ、わ」って言ってしまった。怖かった。ほんっとに目の前に落ちてきたから。

役者さんはどなたも魅力的ですね。こういっちゃなんだけど、みなさん美男美女ではないんだけど、つい見つめたくなってしまうお顔をしていらっしゃる。ナイロンの長田さんは友近にみえてしまいました。や、熱演されていましたよ。

*1:意外と井戸に落ちる人間が登場する作品ってあるのよね

*2:楽公演を観たんだから言っちゃってもいいかもだけど一応言葉を濁します