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「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

文藝の高橋源一郎の連載

先月号(6月?)から高橋源一郎氏の連載が興味深いことになっています。

手元にモノがないのでうろ覚えで書いていますが、高橋氏がターゲットとした本を「全文引用」と称してかなり長く引用し、それについて語っていくスタイルの連載のようでした。その中で、先月はポツドールの「激情」のレビュー的な記載を行ってました。それを引き金に「今後は劇作家の書く小説を読んでいきたいと思う」として、チェルの岡田さん、五反田団の前田さん、あと本谷さんの名前があがってました。
先月号はポツのレビュー&岡田さんの「三月の5日間(小説)」について触れ、今月号では「三月の5日間」をずっとテーマにかかれてまして、さらに来月にまで続いてました。
高橋さんが原文の一部分を抜粋し、それのさらに細かい部分について記述されているので、現国の授業を思い出したりして非常に面白いです。もうひっかかるところが全然違うんだもの。「雪がやんだとき」という記述のある種の戦慄について書かれているところなんて、その情景と、小説の中で描かれているシーンと、高橋氏のいわんとすることが混ざり合って、頭の中の複数の景色が交じり合って不思議な感覚に襲われました。これ、はやく単行本化してほしい。

ポツのレビューもよかったです。観劇をたくさんしている人とは一味違って、かつ、「ことば」を大事にしている人らしい記述でした。ついついポツの公演で拍手がないのはいつものこと、と普通に思ってしまうけれども、そんなのこっちが勝手に思っているだけで、こういう見方もできるんだよな、とか改めて気づかされたような気持ちでした。なんか自分も観劇慣れしたヤーな見方をしちゃってるもんだよ、いやだなぁ!って感じたり、ねー。新鮮にいこう、新鮮に。

(追記)コラムとして「観にいった」という事実についてのみ掲載されていました。「文藝」でのポツについての記述はもっとボリュームありました。
この記述はこないだやってたアプルでの毛皮族の公演について。http://122.200.201.84/column/genichiro_takahashi/20070421.html