sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

IKILL / 少年王者舘 @ ザ・スズナリ

ソワレ。王者舘公式で自由席予約(=つまりどの券種よりも遅い入場)だったのですが、久々にスズナリで前の人のさえぎりのない良席にすわることができました。パイプ椅子ではなく、座布団桟敷タイプの席。老若男女入り乱れてぎゅうぎゅう。満席。

今回も言葉遊びとシーンのループ、そして映像と舞台上の役者がシンクロしたり、一瞬の暗転中の見事な早変わりもあり。堪能しました。ストーリーはあってないかのようで、演劇なんだけれども、かなりパフォーマンス寄りです。いつも何かを思い出すようでなかなか適したものを思い出せません。小さい頃見たポンキッキの意味不明なパート*1かな?バーミリオン・プレジャー・ナイトをアングラにしたカンジか、いや、地下鉄のザジ*2、などなど。でもどれもしっくりこないので、これはもう天野ワールドでいいじゃない、とまとめるしかないという。

以下、ちょっと内容に触れてしまっているのでたたみます。

あ、次回KUDAN Project公演「美藝公(びげいこう)」のチラシもしっかり入っていました。2007年3月スズナリ。「くだんの件」と同じ役者さんによる2人芝居。tsumazuki no ishiのチラシでアナウンスのあった「真夜中の弥次さん喜多さん」はこれと前後してやるのかしら?


言葉&文字あそびは今回も見事でした。とくに最後の全員で1字ずつずれた2文字言葉を連呼するところ。全員がスケッチブックを観客に向け、1枚ずつめくりながら文字を発生するのですが、ステージ上の上手半分と下手半分で、スケッチブックに書かれている文字が異なるのですね。発しているのは同じ言葉なのですが。たとえば「あ・め・し・た・き・ぬ」であれば、下手半分の人のスケッチブックには「雨」「舌」と書いてあり、上手半分の人のスケッチブックには「飯」「滝」と書かれている、という具合。これが延々と。もう、どうやって覚えるのですか、あれは。めまぐるしく呪文のように唱えられる言葉の洪水にくらくらしました。
映像と舞台上のシンクロも。黒い点がぶあーっと広がって暗転したり、かと思えば舞台奥に丸い穴のような影を作ったかと思えば、そこには本当に穴が開いていてそこから人が出てきたり。からくりです。
こういった仕掛けや、意図的にされていながらも少しずつ形を変えていくループ、そして気づけば開演前に引き戻されるかのようなアナウンスで現実に引き戻される構成で、現実と舞台上と夢と、複数の世界を行ったりきたりするような感覚を存分に楽しみました。
タモリキャラ、意外。面白かったけど。

*1:トランプに顔と足だけついてて、ただ自分の数字を繰り返し叫ぶだけ、の類

*2:これは夕沈さんの髪型のせいもあるかも