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「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

ショートショートムービーフェスティバル(1日目) / ヨーロッパ企画 @ ニッポン放送イマジンスタジオ

ヨーロッパ企画主催のショートショートムービーフェスティバル。いわゆるショートムービーよりさらに短い5分以内というシバリの映像をがしがしと流すフェスティバル。東京大会は今日明日です。これってplayカテゴリでいいのでしょうか。

とはいえ、明日もありますので、本日は雑感のみ。

まず「わたしってそこまでヨーロッパ企画好きかしら、映像でも好きかしら」とちょっと心配しながら向かったんですが、かなり楽しめてうれしいうれしい。上田さんと酒井さんのすっとぼけた(失礼)ステキ進行でさくさくと13作品。タイプの異なる映像だったのもあってあきませんでした。特別審査員の本広監督は初回(今回は3回目)観ているそうで、3回目の今回に、前回2回目に対してのダメだしをやわーとしたりしていて、ねぇ。
観客も審査員となって一番だと思う作品に一票を投じるんですが、ひねくれもののワタクシはなんだかヨーロッパ企画の人以外の作品につい注目してしまいました。

それから、受付からして永野さんがいたり、物販やら票集めやらヨーロッパ企画の役者さんが総動員(?)で働いてらして。もうなんでしょう、ホントに君たちはかわいいねぇ〜、とついつい猫をみるような気持ちに。永野さんや石田さんは見るたびにアタマをなでなでしそうになります。あぶないおばちゃんです。あと、グリングの中野さんがSTAFFシールをつけて観客席にいました。なんか意外。どういうつながりなのかしら。「海賊」「散歩する侵略者」もう、ものすごく良かったです!と言ってしまおうか、ああ伝えたい!と思いながらも、いつものとおり小心っぷりが顔を出し、いつものとおり目で追うだけだったのでした。

いやー、でも今日のカンジで明日はせいこうさんが審査員かぁ!と思うとどうにもこうにも楽しみすぎます。仕事さくっと終わらせるぞ〜。

(7/5、各作品についての雑感を追記しました。長い&内容に触れまくりなのでたたみます)

以下、各上映作品とそれについての雑感を。

  1. 横山拓也(売込隊ビーム) 「昼下がりの自己批判」 :ゲスト監督

確かに「昼下がりの自己批判」。私これ好きだったわぁ。投票しようか悩みました。一番手だから不利だというのもあり、一番手だからつい忘れられがちだというのもあり、そしてなによりやっぱドナ○ドは怖いもん!関内の店の外のベンチにいるドナ○ドに寄り添ったときもちょっと怖かったもん!なので「ピストルを手に人を脅すドナ○ド」をみせてくれて嬉しかったす。
監督は東京にはこられてなかったんですが、Vでコメントを。ひたすらドナ○ド、というか某企業サマに恐縮してました。わははは。上田さんも「スーパーサイズミーに負けじと劣らない作品」と、いつものちょっとひいたような口調で鋭く切り込んでおられました。映像もコメントもステキな切れ味での好スタートでした。

  1. しまおまほ 「プッツンテレビ」 :ゲスト監督

しまおさんが小学生の頃に自分で企画・撮影・出演したニュース番組「プッツンテレビ」の映像。いつもは「プッツンラジオ」としてカセットテープに録音していた番組(リスナーは自分のみ)の初めてのテレビバージョンだそうで。カウンターのキッチンの向こう側に立つことによってニューススタジオを表現。読んでいるニュースは実際のニュースなのに、なぜか麻薬所持とかの殺伐としたネタばっかし。でもしっかりアヒル園(家の庭)ロケもしてるという本格派でした。ラストは吉田栄作の「心の旅」を聞きながらさようならです。爆笑。
授業中に読む小さなネタ雑誌を勝手に編集していたという上田さん、質問がいつになくスムーズで笑いました。出身が同じ二人。

  1. 植田豪 「僕の彼女はエレガ」 :ゲスト監督

エレベーターガールの彼女の職場に会いに行ったらそのまま宇宙まで飛んじゃう、という映像。この方、これまでのSSMFで優勝されているのですね。ヨーロッパスタジオ祭りで1日だけ公開されていたという過去の映像を見逃してしまったのが残念。この作品についてはあまり響いてこなかったです。
宇宙に飛んでいった部屋の窓の外が一面の星空(というか宇宙)なのですが、普通の窓に穴を開けた黒い布(紙だったかな?)を貼り付けているだけだそうです。かなりの宇宙感(?)だったのでそんなシンプルな方法なのか、とびっくり。昼に撮影しないと単なる真っ暗な外になるそうです。なるほど。

  1. ムロツヨシ 「友情」 :ゲスト監督

おっと、映画STMBつながり。川岡大二郎さんも出演されてて*1。ぐだぐだだけど不思議と面白かった。部屋に入ってくるなりこぶしとこぶしをあわせて挨拶。それが友達。
初めて映像をとる、ということで出演者の一人の部屋で、自分でカメラ撮影したそうで。「ちゃんとカメラマンやってもらったほうがいいですねー」と本人のにこにこコメント。こっちもにこにこした。

  1. 高岡晃太郎 「2049&2050」 :一般監督

近未来(2049年、2050年)の男二人の恋物語(?)。面白かった。友達と話していて、いつの間にか全然違う話題になってしまって、「あれ、なんでこんな話になっちゃったんだっけ?」ってなってしまうような現象を、ポップにテンポよく描いてくれているといいますか。「吾輩〜」の最初のほうでミッチーが清水くん(五十嵐くん)に初めてあったときにしていたちぐはぐなやりとり*2と似たおかしみ。ちょっとしたきっかけで全然違う方向に話が進んじゃうのね。「え〜、なんでそうなっちゃうのよ*3」の繰り返し。それがしつこくなりすぎないバランスで。ものすご面白かった。ここに投票しました。
上映後のトーク時に、ムロさんとこぶしで挨拶かわしてたのがかわいらしかったわぁ。

  1. 上原拓治 「狐の窓」 :一般監督

静かな作品。ある女性の元同居人が言っていた「狐の窓(両手の親指と人差し指でつくった三角の空間)から人を見ると、その人の本心が見える」をキーワードに、その彼女との思い出を女性が語る形式で。元同居人の姿もそうですが、自分も含めたある人物の暮らしと街と景色とをやわらかく切り取って見せてくれるような映像でした。
ずっと「映像+女性のナレーション」という形式で、この女性のナレーションが前編ウィスパーボイスで。きっと誰しもが「ここは狙ってるのでしょ」と思ったウィスパーボイスは、「女性は東京出身のハズなのにナレーション担当の方がひどくなまっていて、ウィスパーボイスだったらごまかせたから」という理由だったのでした。落ち着いた映像なのにそんな理由かい……!上田さんも「もっと深い理由があると思った」と言ってました。

  1. サニーフランシス 「アホなインド人」 :ゲスト監督

「日本人から見たインド人のイメージ」をインタビューするドキュメンタリー。ドキュメンタリー?自ら提示した選択肢やら、ちょっとしたオチやらで笑わそうとしてくれるサービス精神旺盛な方なのね。選択肢の中の「ガンジス川に何か浮いている」は良かったな。あえて「カレー」がないあたりとか。

  1. 黒木正浩 「転校生JET」 :ヨーロッパ企画監督

ウワサの黒木組。上映後のトークでも突っ込まれてたけど、ほんとにまとまってないよ。全部作ると90分もの長編になるらしいです。特撮モノ?ヨーロッパ企画の男性陣総出なわけですが、全員先生役。悪いやつも先生役。正義の味方、転校生ジェットは永野さんでした。かーわーいーいー(バカ)。特撮部分とか凝ってたよ。石田さんの腕がうにょーと伸びたりとか。
でも90分も見れないよ、見たくないよ。後日更新された諏訪さんのつぶやきスワーで「黒木は"オレの作品は東京向きだ"っていってたのに3票だったよ」って書いてあったのがかなり面白かった。

  1. 諏訪雅 「鬼」 :ヨーロッパ企画監督

「あいつが憎くて憎くてしょうがない」と鬼の扮装をして色んな人を驚かし、その驚いた顔の写真をとってうさを晴らす主人公のお話。驚かされる最初の人が上田さんで。夕食時のちゃぶ台を鬼にひっくり返されているのにいまいち反応がにぶい上田さん。そして撮られた写真も微妙な上田さん。
その後数人を驚かせた鬼は、ちょっとしたとこでハマって走馬灯を見るハメになるのですが、この走馬灯が鬼になってからのシーンばっかりで。「鬼になったのが人生のピークだったと……」という上映後の上田さんコメントに、こめかみを押さえながらもひとしきり笑いました。

それから、「西村さんの作品の冒頭に、松田さんの入浴シーンというサービスショットがある」と聞いた諏訪さんは、鬼に襲われるシーンでのパンチラ要員として山脇さんに出演してもらうことに。なのに撮影当日、山脇さんはスパッツをはいて現れやがった!とご立腹でした。はっはっは。ヨーロッパ企画は本当に色気がないなあ(そこが好きよ)。

  1. 西村直子、吉永祐子 「1/365」 :ヨーロッパ企画監督

松田さん&本多さんカップルがほのぼのととられていていいわぁ。これって出町柳のあたりかしら。鴨川のステキ風景。本広監督も「ここへきて風景を撮り始めましたね」とコメントされてました。前回は死んだりなんだりとダウナーな印象が強かったから*4こそのコメントだったようです。

  1. 新里茉莉子 「センチメンタル・ツリー」 :一般監督

宮古島の少年少女の淡い恋の風景。読んだことないけど(なら言うな)銀色夏生っぽい雰囲気?出演している子供が沖縄の子供っぽくてかわいい。監督は来場せず、コメントもなかったのですが、上田さんがこの作品を選んだ理由が「えらく遠くから送ってきてくれたから」っておい。そういうこと言っちゃうところが好きだけど。しかも満面の笑顔で。

  1. 山脇唯 「北京の虹」 :ヨーロッパ企画監督

映像のコラージュのような作品。いちゃいちゃする西村さん、という照れるレアシーンもありましたよ。これ好きだったな。「あたしなおこ」。
本広監督は「自分には絶対に作れない映像」とこの作品に投票されたようです。

  1. 本多力 「走」 :ヨーロッパ企画監督

酒井くんが京都の街をかけまくる作品。これってまさにヨーロッパハウスのすぐ近くの道路だなぁ、神社とか。二条城の一つ南の通り?(こないだ京都に行ったときに迷ったあたりだもので見覚えありまくり)。ラストはサービスショット(え?)。


投票結果は以下のとおりでした。
グランプリ:高岡晃太郎 「2049&2050」
2位:本多力 「走」
3位:西村直子、吉永祐子 「1/365」

私は(1)高岡晃太郎 「2049&2050」、(2)上原拓治 「狐の窓」、(3)横山拓也(売込隊ビーム)「昼下がりの自己批判」 で悩みながら、(1)に投票しました。バラエティに富んでいて、やや眠い状態で始まったのに全く眠くならずにぐいぐい引き込まれて観てました。

*1:会場にもいらっしゃったそうで。気付いてなかったわ〜。

*2:細かい。分かってもらえるかしら。あそこばっかしリピートしちゃうくらい好きなシーン。

*3:面白い方向に

*4:私は観てないですが