sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

泥花 / 劇団桟敷童子 @ ザ・スズナリ

今回で3回目の観劇になる劇団桟敷童子。

【あらすじ】(劇団サイトより)
赤堀第弐炭鉱で落盤事故が起こり、炭鉱主だった父親が蒸発してしまった。
一年後、残された千鶴、美代、ハジメの三姉弟は追われる様に住み慣れた街を離れ、親戚のもとに身を寄せることになった。
そしてひと月後には姉弟は離ればなれに暮らすことになるのだ。
姉弟達は事故を起こした炭鉱主の子どもであることを口止めされていた。
しかし千鶴と美代にやたらとちょっかいを出す男、道郎が現れる。 道郎は両親をあの赤堀第弐炭鉱の落盤事故で亡くしていた。
いぶかしむ千鶴をよそに、美代が道郎に好意を寄せはじめ・・・

期待度が高すぎるのもあり、今回はストーリーはあっさりしていた印象でした。前2作は、時代や風習にまきこまれてどうしようもない中で熱く生きる様を描いてくれていましたが、今回はその「どうしようもない」感が薄かったのかもしれません。共産運動についても「そういう運動をしている人が仲間に一人いました」というひとつのキャラクターとしてのみ存在していたので、時代背景に翻弄される様ではなくて、いつの時代もこういう人間がいてこういう生活をしていて、というある意味少しだけ淡々としたストーリー*1だったような気がします。
俳優さんたちは相変わらず磐石。
そして俳優さんたち自ら行ってくれる接客も相変わらず熱かったです。帰ったら紙ふぶきが数枚カバンの中に……。今回は「よいしょー!」な席つめがなかったですね。本公演ラストの回だったんですが、いつもよりはぎゅうぎゅうではなかったような。
またしても少路&紙ちゃんカポーがいましたよ。キミたちはいつも一緒だねぇ、とほんわか。


(2/22追記)
セリフの中では「東京に行く」という妹に向かって姉が言うセリフ「東京に言っても何も変わらんのやよ」というのが印象に残りました。そう、場所を変えても何も変わらないし、自分なんて探しても「ねぇよ、そんなもん」*2だし、うまくいかないことを時代のせいにしちゃあかんのです*3。信じられるのはお金と自分だけ!(かなり解釈間違ってる)
それから客入れでかかっていた「ピンポンパン」。もう今週の仕事BGMがすっかりこれになってしまいました。「がんばらなくちゃ〜あ、がんばらなくちゃ。がんばらなくっちゃ〜」

*1:いや、他劇団比ではダントツに熱いんですけど

*2:クドウ語録

*3:先週の「神はサイコロを振らない