sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

しぶき / 猫のホテル @ 下北沢スズナリ


http://www.nekohote.com/

猫のホテル。いつものとおりなーんの前情報も仕入れずに観劇。
これ、面白かったです。好み。

あ、これから行く方はできれば5分前までには着席するがいいさ。

例のごとくネタバレです。










先日から続く「80年代モノ」またしても。

まず、会場に入った後のBGMが、昭和歌謡なカバー版「UNCHAIN MY HEART」だったり、ユーミンの「守ってあげたい」、安全地帯「プルシアンブルーの肖像」(いやはや調べちゃった。サビが「もーおー離さない 離さない♪」というヤツ。)など。安全地帯は劇中でも使われてて、安全地帯 → 玉置浩二になることによって時間の経過を表していました。つーかなー、安全地帯って熱心に聴いてないように思ってたけど、こうやってかけられると、歌い出しからばっちり歌えるのな。これってすごいんじゃん?

お話は80年代始めあたり? のサブちゃんの楽屋から始まって、バブルを経て、最近までなのかな? 1組の夫婦を年代毎に追っていくストーリー。舞台はサブちゃんの楽屋(新宿コマ) → 六本木の美容院 → どっかの華道家(あやしい)の家 → 銀行 → どっかの田舎の浜辺 → その田舎の民宿 → 工事現場の住みこみ ……、という流れで変化します。それぞれの場所で夫婦のやってる仕事も違うし、そして時代背景も違う、と。

救いの無さとか諦観とかやりきれなさとか、最後の終わり方からは感じるべきなのかもしれないけど、なんだか同時にちょっとした安心感があったりしました。「あんたなんかにはあたしなんかがお似合いなのよ」的なセリフ。「あたしたちのなれそめを聞くがいいわ!」から「工事現場で大喧嘩してクビ」までの一見どんどん悪化しているような二人の関係はその実、固く固く結ばれていってたんじゃないの? と思ってしまったのです。

最後はそんなカンジだけど、途中途中はホントに笑えました。また私の真後ろの人がわっはわっは笑う人で、つられつつ「ふふふ……」と不気味に笑うオレだよ。 ニナガワさんが灰皿なげたりとかな。美容院のデフォルメされまくりの80年代うかれっぷりとかな。

役者さんは、「あれ、はたらくおとこに出てた方々……」とか途中で気づくひどさですよ。「なんか気になる劇団名……聞いたことあるなぁ、みてみよ」って取ったチケットだったけど、ここじゃん。ここでみてたんだよ。テンポ良くって、さらに各場面において同じ人が違う役で出てくるのがまた面白かったです。

あと、5分前に「あと5分です!」って小芝居をしてくれたのがまた面白かったな。結局は「携帯の電源切ってね」ってアナウンスなんだけど、なぜか登場人物が、オリンピックソフトボール女子監督と角川春樹。なんでだよ。