sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

ラストプレゼント

いやはや、サブタイトルの「娘とすごす最後の夏」を貫いたラストでした。あくまでも主役は「母」である天海さんだったと。描くのは「家族の死に直面して悲しむ人々」ではなくて「死ぬ前に子供や周囲の人々と何をするか、できるか」であったと。

娘が気づいてるみたいで言おうと思ってたタイミングで言えなくて成り行きで玄関先でお話するようになっちゃう、とかさ。そうそう、そういうもんだよね、という作り。
グーパンチをかっちょよく決めた後でしたし。あそこで自分の経験を語ることによって天海さんを説得したりしなかったのも、そうそう、そういんもんだよな、って。永作さんはかっこいくてかわいくていいなぁ。

難を言うなら、娘のショック期間があまりにも短かったことでしょうか。もうちょっと饒舌さがなくても良かったように思いました。「なんかある」と思ってたけど、多分、彼女が予想してたのはお母さんが出てっちゃって一緒にいられなくなる、ってパターンだったんじゃないかなぁ、と思ったので。
でも、お母さんに「自分でやりたいことを選んで言う」ってことを教わったことがいきてたり、前回のお産での「手をにぎってる」っていう行為がいかされてたりはいいなぁ、うまいなぁ、と思いました。
よかったよ〜、と思ってサイトめぐりしてみたら結構ラスト不評なんですね。よくある「一年後---」とか出されるよりもよっぽど丁寧だし誠実なラストだったと思ったんだけどなぁ。人それぞれなんだなー。