sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

誰も知らない

映画「誰も知らない」サウンドトラック

2本目はこれ。
とても良かったです。久々「観ろ!」ってカンジ。

ネタバレしてますので、これから観る方は以下は見ないでくださいませ。





えとー、比べるのもなんですが、こちらを後に見た関係もあってか、私はこちらのほうがずしりときてしまいました。
冒頭に断りがあるとおり、実際の事件はあくまでもモチーフであって、実際の事件に大分クッションをかませたようでした。

しかし。きっとこの事件のキモであったんであろう、「結局子供達はお母さんのことを好きだった」ってあたりは絶妙なバランスで見せてくれてたように思います。どう見たって無茶苦茶な母親だし、実際にそんなことしてる女性を見たら信じられないし軽蔑すらすると思うんですが、この映画の中ではYOU演じるところの母親に対して「てめぇのせいだろうが!」って心から思うことはできなかった(ちょっとは思ったけど)。
それに、すごく大人びた長男にしても「しょうがないよな、やっぱり子供だし」って部分がゆるやかに描かれていてねぇ……。
賞という形で世界的に認められてしまった柳楽くん(きっと素なんだろうけど)はもちろんですが、他の子供の演技もすごかったですよね。本当に1年近く一緒にすごした(と聞いたような気がしますが)だけあって細部が自然で自然で。悲しい結果になってしまったゆきちゃんが本当にたまらなくかわいかった。

実際の事件(http://www8.ocn.ne.jp/~moonston/family.htm)は読むと心が重くなりますね。どこかで今も暮らしているであろう(当時の)子供達が幸せでいてくれることを願います。


えー、最後に下卑た部分の感想を。
そういう趣味はない(と信じてる)んですが、柳楽くんの目には完全ノックアウト。子供のくせにやたらいろっぺーし。
あと、YOUの男の変遷がちょっとうらやましかった。えへへ……。感想の最後がこれでシメかよ〜、と思いつつ〆。

追記:
私は是枝監督の映画をみるのは実は初めてなんですが、見る前のイメージ通り、淡々と事実(?)のみを映し出していました。
あぁー、追記してるからアンテナに表示されると申し訳無いので一生懸命ネタバレかもしれない記述までに字数を稼ぐよ。

サウンドトラックがゴンチチだし、CMで散々主題歌流れてるし。なのにほとんど背景に音楽はなし。さらに、こういうモチーフの映画だし、事件発覚のシーンとか入れればいくらでもスキャンダラスな持っていき方が出来そうなもんですが、その前に突如として終了。これ、先日見た「息子のまなざし」に少し似てますね。こういう映画が好きなようです。