sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

アイデン&ティティ

よーーーーーーやっと見に行けました。昨日までゼブラーマン!とか騒いでおきながらも。この映画、実は結構長くやってますよねぇ。もうすぐ公開!てなチラシを木更津キャッツアイ見に行った時に既に見たような(11月でした)。

さて、ロックを称えるバンドマンの映画、と聞くと実は一番みたくないタイプの映画です。ロックと業界、産みの苦しみ、彼女との退廃的な関係、ドラッグ(は危険だよ、といってるように見えて実はかっちょよく描いてるように見える)、音楽について深く悩んでるけど表面的に出てくる言動はやたらストレートな主人公……などなど、とにかく押し付けがましさが目立つというか「マスターベーション見せられてもよぉ」という気持ちになることが多いからです。

んが、見た友達(バンド仲間)がやたら薦めるのでいってみました。もともとクドカン脚本だし見ようかどうか迷ってたしね。


全体的には……おもしろかったです。
つかなんつーか、バンドブームの只中にいたことがあって、(見に行く側として)たまに参加したり傍観していたりして、単なる趣味としてずっとバンドを続けている身としては、なんともむずがゆい映画でした。
私は途中で出てきたサラリーマンの友達なんですよね。ああいう流れに身を任せずにいられないようなロック君と親密だった時期もあり、就職して「世の中の人って思ったほど(流行り以外の)音楽聴かないんだ」とちょっと驚いた時期もあり、それでも音楽楽しみたいなーと思ってバンドやってる今がある、と。
なので、中島の熱さ、青さ、甘えなどが、自分の色んな時期における自分自身および友達の状態が登場人物として(あるいは傍観者として)思い出される、思い出す。そんで過去の日記を読んでいるようなかゆぅーーーいよぉという感覚と遠い目をしてしまう感覚とが混ざり合ってしまってもぅ、むずむずむずむず。

あの彼女の存在はなんだったのでしょうね。客観的に見たら実際には存在し得ないマザーっぷりでしたが。高円寺の夢見る若者の中に住む理想像として存在していたのか? でもなぁ、あの狂奏曲としかいいようのないほどのバンドブームにおいてはホントにいたのかもしれないよなぁ。実際、バンドマン相手に足を開いてしまう女の子はいたもんなぁ(その時代には今ほどメディアでも性の若年化は取り沙汰されてはいなかったけど、そして今ほど若い子ではなかったかもしれないけど実際そうでしたよね……)。なんたって、イカ天参加のみうらじゅんとばちかぶりなトモロヲ氏の作ってる映画だもんでね。

本日の日記タイトルにさせていただいたセリフ。この映画自身をも表しているんだろうと思いました。



以下、細かい感想(箇条書き。そしてネタバレ)

  • はー!人間椅子、スイマーズ、たま、マサ子さん、ニューロティカ!ひぇー。全部知ってるぅ、ぶくぶくぶく……
  • ラフトレードの袋!細かいなぁ。ディランのレコードも色々でてた。
  • 細かい割には「番爽麗茶」のポスターとかお茶缶とか。その時代は「お〜いお茶」くらいでしたぜ。
  • ラバーソウルとかはさすがに無理ですのかしら。「1980」も服装は1980じゃなかったよなぁ。
  • ミネタさんの最後につぐむカンジの口の動きが結構好き
  • 獅童さんのアイタタっぷり。こういう役、似合いますね
  • 浅野忠信は分かったけど村上淳はわかんなかった。どこにいたのかなぁ。
  • 最後のシャベリの長さや「バカなミュージシャンもどき」など、ちょっと青臭さが過ぎて困っちゃいそうになるとちゃんとフォローしてくれるツッコミ(だから長ぇよ、とか、客引いてるよ、とか)が入っていたことでクドカン脚本であることを思い出した。つか、助けられた。自分も引きそうなトコだった。